「じゃあ帰るね」「もう行くね」「そろそろお暇します」と日本語でも様々な言い方があるように、イタリア語にも複数の言い方があります。
今回は、別れの挨拶の前の、「帰ります」という意思表示について、どんな言い回しがあるかピックアップしました。
Torno a casa 家に戻ります
日本人が使いがちなのは、「帰る」という動詞の原形tornareを使った表現ではないでしょうか。
なぜなら日本語だと「帰る」という動詞が使われるからです。
例え家に帰らなくても「もう帰るね」と言いませんか?
むしろ「もう行くね」と言うと、「どこ行くの?」なんて聞かれたりするので、「帰るね」の方がシンプルです。
しかし、イタリア語の場合はこのtornareはあまり使われません。
使うには使いますが、tornareは「戻る」というニュアンスの方が近いです。
【使用例1】
このあと買い物行かない?
No. Torno a casa e devo studiare…
いや、家に戻って勉強しなきゃ…
【使用例2】
商談うまくいったね!ちょっとお茶してく?
Magari… Ma devo tornare a lavoro.
そうしたいけど、仕事に戻らなくちゃ。
※a lavoroに定冠詞はつけない方が自然
このようにtornare(戻る)は、ちょっと外で用事を済ませてから帰るときに使うことが多いです。
Vado a casa 家に行く
日本語は(自分の)家に「行く」ではなく「帰る」が正しいですが、イタリア語は「行く」の原形andareも使われます。
【使用例】
今、何してる?
Ho finito di lavorare. Vado a casa.
仕事終わって、今から家に帰るよ
※casa(家)にも定冠詞はつけません。
ちょっとした用事ではなく、一日働いたあとにはtornareよりandareを使うケースが多いです。
Vado via 出ていきます
「via」とは「今の地点から離れる」という意味で、日本語にはない単語です。
「行く」の原形andare+viaで「ここから離れる」というニュアンス。
家に帰るでもいいし、別の用事を済ましに行くでもいいし、幅広く使われます。
「Via!」「Vai via!」だと命令形になり、「出てけ!」という強いニュアンスになるので注意。
一方で「Vai via?」だと「もう行くの?」という自然な疑問形になります。
ややこしく感じますが、語気や雰囲気でわかるので大丈夫!
Me ne vado 私は去ります
原形andarsene 「その場から立ち去る」という意味。
初中級クラスになると習いますね!
これもandare viaと同じように使えます。
活用の変化は
(io) Me ne vado
(tu) Te ne vai
(lui/lei) Se ne va
(noi) Ce ne andiamo
(voi) Ve ne andate
(loro) Se ne vanno
・Me, Te, Se…は再帰動詞のイレギュラー変化。
・neは「そこ(ここ)」と場所を表す小詞です。
【使用例】
Stai andando?
帰るの?(行く準備をしているの?)
Si, me ne vado.
うん、もう帰るよ。
Scappo 逃げます
「逃げる」の原形scappare
この動詞、「逃げる」という意味以外にも「急いで帰る」という意味があります。
つまり「そろそろ帰るかな」というのんびりしたニュアンスよりも「もう帰らないといけない」と急いでいる・慌てているニュアンスが含まれます。
イタリア人、別れの挨拶がまあ長い!!バイバイしてから10分立ち話をし、それを3回ほど繰り返し「帰る」と言ってから30分以上経つことも…。
すぐにその場を離れたい場合は、時間がない動作をしながら「Devo scappare(もう行かないと)」と言って、逃げましょう!笑
まとめ
- tornareは「帰る」よりも「戻る」
- andareを使った場合の方が自然な時もある
- 急ぐときはscappare
どれを使っても伝わるには伝わります。
だけどより自然なイタリア語を話したいときは、色々試してみてください!
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