イタリアでは夏のトマト収穫時期に、各家庭で大量の生トマトを使ってSUGO(スーゴ)と呼ばれるトマトソースを作ります。
作ったあとは長期保存するために瓶に詰め、来年のトマトの時期まで定期的に消費される、イタリアでは絶対に欠かせないもの。
各家庭によってもレシピは異なり、使うトマトの種類も違います。
今回は、私のイタリア人旦那のおばあちゃんのトマトソース(SUGO)のレシピをお伝えします!
はじめに
イタリアのトマトソースは、トマト本来の味を大事にしているため、シンプルで酸味が強いです。
それに比べると、日本のトマトソースは野菜がたくさん使われていて野菜の甘味が強く、酸味は少ないです。
もし日本人好みの味にしたければ、材料のニンジン・玉ねぎ・セロリの量を3倍程度に増やし、砂糖を加えてください。
ちなみに、作りたての方がトマトの味が強く、瓶詰めにして寝かせておくと酸味が抜けてまろやかになります。
また、今回のレシピはパスタならおよそ5人分の分量ですが、大量に作りたい場合は材料を倍にしたり、逆に一回分だけ作ることも可能。
日本だとトマト高くて大量には作れないかもですね…。高くて買えない場合はトマト缶やトマトピューレでも代用できます!もちろん、生トマト使った方が美味しいけど!
材料(パスタで5人前ぐらい)
・生の完熟トマト 2kgぐらい
(上の写真は全部で2.2kgでしたが、傷んでる部分を取り除いたのでおよそ2kgです)
※トマトは熟しきった水分を多く含んでいるものを使います。収穫または購入してから数日置くといいです。品種はCuore di bue、サイズは大きいものがベスト。…ですが、神経質にならなくてOKです。
・ニンジン 小さめ1本ぐらい
(上の写真のサイズで1本)
・葉付きセロリ 1枝
(上の写真の、しなしなですが気にしないでください笑)
・玉ねぎ 1/3玉~半玉
・生バジル 数枚
・エクストラバージンオリーブオイル 適量
・塩 少し
・砂糖 お好みで小さじ1
・唐辛子 少量~お好みの辛さ
(子供や辛いのに敏感な人はいれないでください。唐辛子を入れることで塩分を抑えられます)
作り方
①トマトを半分に切り、ヘタの白い部分をのぞきます。傷んでいるところものぞきます。
②鍋に①のトマトを全ていれ、中弱火で火にかけます。ときどきかき混ぜて、煮崩れするまで放置。
20~30分ぐらいで右のようになります。
③ニンジンはすりおろし、玉ねぎは細かくみじん切りにします。(トマトの中にはまだ入れないよ!)
※このとき、よりトマトの味を出したい場合は、ニンジンも玉ねぎもざく切りにします。
④もうひとつ鍋を用意し、オリーブオイルをひいて③のニンジンと玉ねぎを炒めます。
⑤④の火を一旦消し、④の鍋に②のトマトを裏ごしします。
イタリアの家庭なら一家に一台あるこちらの道具を使います。
この道具があれば、トマト以外の野菜ソース、離乳食、ジャムなども裏漉しできます。
このタイプの裏ごし器がない場合は、網・ざるタイプでも可能ですが、種を通さない大きさの網目にしてください。
網目がこまかいとなめらかなソースに、大きめだと果肉を感じるソースになるので、お好みに合わせて。
⑥裏漉ししたら、よく混ぜ、セロリ、バジル、塩、砂糖、唐辛子も投入し、中火に火をかけます。沸騰したら弱火で30分ぐらい火にかけますが、1/3ぐらいの水分が飛ぶまで時間や火加減を調節してください。※蓋はしない
・セロリ、バジルは切ったりせずそのままでOK
・酸味を抑えたい場合は砂糖を入れます。酸味が強い方が好きなら入れなくてOK
・料理に使うときに調節できるよう、塩は少量にしましょう。唐辛子を入れれば辛み成分で塩分を抑えられます。
➆野菜の香りが移ったら適当なところでセロリ、バジルをのぞきます。(ニンジン、玉ねぎをざく切りにした場合も取り除きます)
※玉ねぎの果肉が嫌だったり、滑らかなソースを作りたい方は、細かい網で裏ごしします。
⑧水分量がほどよく減って、味が凝縮されたら、ソースは完成です!
※水分が多くべちゃべちゃしていると、料理に使っても味がパッとしないので、煮詰め加減は大事!
保存の仕方
大量に作ったり、すぐに使わない場合は瓶に詰めて保存ができます!
ソースが熱いうちに瓶に詰めてください!
一週間以内に使う場合
熱湯消毒した瓶にソースを詰めれば一週間保存が効きます。
常温で保存し、開封後は3日以内に使いきってください。
長期保存する場合(2年)
①瓶を熱湯消毒します。
・使いやすいように小分けにしましょう。
・瓶は蓋裏側にゴムパッキンがついたもので。新品じゃなくてもOKですが、食器用洗剤でよく洗ってから熱湯消毒してください。
②熱湯消毒したら、トマトソースが熱いうちに瓶に詰め蓋をしっかりしめます。
※縁についたソースはキレイな布巾またはキッチンペーパーで拭き取ります。(カビの原因になります!)
③瓶がすっぽり入る大きな鍋に立てて並べ、布巾で隙間を埋め、熱湯を瓶の蓋までしっかりかぶるぐらい入れます。(ケトルで沸かすと早い!)
④40分沸騰させます。(蓋はしめなくてOK)
⑤鍋のお湯が冷めるまで放置します。(約一日)
⑥瓶を鍋から取り出し、外側の水分をしっかり拭き取ったら完成。
・瓶の蓋が軽くへこんでいるはずです。万が一、蓋が盛り上がり、中の空気が膨張していたら、雑菌が繁殖している可能性が。
・この方法なら2年保存可能です。
・日光が当たらない涼しい場所で保管してください。
・開封後は3日以内に使いきってください。
↑イタリアでよく使われているボトルです!(画像クリックで詳細)
↑上のは日本で買うと高いので、一本100円ぐらいで十分です。(画像クリックで詳細)
トマトソースのパスタの作り方
①お好みのパスタを茹でます。
②熱したフライパンにオリーブオイルを引き、大雑把にスライスした生ニンニクを入れ、香りを出す。
③一旦火を止めて、トマトソースを入れます。(跳ねるので注意)
④火を弱火にして煮詰める。塩を入れて塩加減を調節してください。
⑤アルデンテに茹でたパスタを④のフライパンにいれて炒め混ぜたら完成!
お皿に盛り付けて、お好みでペペロンチーノや粉チーズ、オリーブオイルをかけて召し上がれ!
~挽き肉を入れる場合~
②のあとに挽き肉をいれて炒めてください。
~ツナ缶を入れる場合~
③のあとにツナ缶をオイルごといれてください。(オリーブオイル漬けのツナ缶の場合)
挽き肉もツナ缶も、どちらも美味しいですよ~!洗い物を増やしたくない、めんどくさい場合は、ソースをそのまま茹で上がったパスタにかけて混ぜてもOKです!
まとめ
トマトが高い地域ではなかなか贅沢なレシピだと思いますが、一から手作りし手間をかけたソースは本当に美味しいです!私はもう日本のトマトソースは食べられません。
おそらく、日本人にとってこの酸味の強いソースは「日本のものより美味しい」と感じるか、「日本の甘味がある方が好き」と感じるか、2タイプに分かれる気がします。
ちなみに私は最初は後者で、食べ続けているうちに前者になりました。
日本人は味に深みを出すので、シンプル過ぎると物足りなくなっちゃうんですよね。なので、そんな場合は先に述べたように、野菜を多めにして作ると日本人に慣れ親しんだ味になります!
パスタ以外にも、パン、ピザ、ラザニア、リゾット等にお使いいただけます。
また、このソースを使って数種類の野菜を1cm角に切って、鍋で煮込む、水を一切使わないミネストローネもオススメ!野菜の旨味がぎっしりで、栄養がとれ、ダイエットにも向いてます!
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