イタリアでホームステイをしている友達から、相談を受けました。
何かを説明されてるとき、理解ができなくても思わず“Sì(はい)”と言ってしまい、「何を理解したの?」と責められる…
家事をしているマンマに「手伝おうか?」と聞いても、「これは私の仕事だからあなたは部屋に行ってて!」と言われる…
言葉の意味をどうやって受け入れたらいいかわからず、嫌味を言われているのでは…と不安になる。
このように相談を受けました。
でも、これって海外に住んだ日本人あるあるなんです!
迷惑をかけていないか心配になる日本人
この私の友達のように、ネガティブに考えてしまうのは日本人の国民性です。
なぜなら日本人は「迷惑をかけちゃダメ」という教育を受け、空気を読んで周りにものすごく気を使う民族だからです。
例えば、日本の電車内で通話はマナー違反とされていますよね。イタリアでは通話禁止ということはなく、通話をしている人もいれば、周りを気にせず大声で会話をしている人もいます。
そして、日本人は「全てを言わなくても・はっきり言わなくても伝わる」という察する能力が高く、海外からしたらびっくりする特異スキルを持っています。
※これは言語学からして明白なものかと思います。
そんな日本人が、意見をはっきり言う異文化に行けば「え、私、何か悪いことしたのかな…」「怒っているのかな?」「私のこと嫌いなのかな…」と考えてしまうのは、当然のことだと思います。
しかも、言葉もちゃんと理解できない、その国のジョークが理解できないのであれば尚更です。
ジョークがちゃんとジョークとして理解できなければ、「怒ってる?」「意地悪なこと言われている?」とネガティブに受け取ってしまうのは仕方がないことです。
私も言葉がちゃんと理解できなかった頃、義理家族や友達の言ったことが嫌味なのか何なのかわからず、イタリアに移住した最初の一年から二年ぐらいはとてもストレスを感じていました。
また、友達夫婦が声を荒げて話しているのをみて「え、ケンカしてるの!?」と思った矢先に、いきなり笑いだして、ただのコミュニケーションだったのか、と思ったことがあります。
このように、言語を理解できなかったり、ジョークかどうか判別がつかなかったりすると、間違った受け止め方をしてしまう可能性があります。
思わず「はい」「わかった」と言ってしまう
これもすごくあるあるだと思います。。
昔、フランス旅行の帰りに、日本行きが大雪で飛行機が飛ぶかわからない…というハラハラドキドキした経験がありました。
親切な空港の人が一所懸命に英語で説明してくれ、思わず「わかった!ありがとう!」と言ってしまいましたが、正直あまり理解できていませんでした…。
イタリアに移住した当初も、義理家族との会話でちゃんと理解してないのにもかかわらず相槌打ったり、“Ho capito.(わかった)”と言って、「何がわかったの?」と言われたことが何度かあります。
なぜ理解できていないのに、「わからない」と言えないのか。
それは、楽しく話しているときに「わからなかった」と話の腰を折りたくない、相手の気分を害したくない、という気遣いからや、説明してくれているときに「私のせいでこれ以上相手の時間を無駄にしたり、迷惑をかけたくない」という考えから、つい理解したフリをしてしまうのです。(少なくとも私は)
しかし、一緒に過ごす時間が増えれば徐々にお互いの性格を理解してきます。
そのため、理解したフリというのが相手にも伝わり「何を理解したの?」と聞かれます。
私の家族の場合、始めこそ責められているような気持ちになりましたが、今になって思えば私の性格を理解した上で、私がちゃんと理解できるように誘導していたんだろうなと思います。
「嫌われてるのかな…」と思う発言
正直これは相手次第・会話の内容次第なのでなんとも言えませんが、ホームステイ中の気を使える女の子が、「手伝おうか?」と言って、それに対して「これは私の仕事だから」と言われた場合、私なら「私の仕事だからいいのよ、あなたは勉強でもしてて」という優しい発言ではないかと考えます。
日本語と同じようにイタリア語は使われないので(つまり、直訳はできない)、こういう場面ではこういう言い方をする、という文化を理解できていない状態だと、「嫌われているのかな」「私がいるとストレスなのかな」とネガティブに考えてしまいます。
もちろん、イタリア人といっても様々な性格の人がいるし、異文化を理解できない人もいるので一概には言えません。
また、文化の違いから無意識に相手にストレスを与えてしまっている場合もあります。
(例えば、日本人は毎日シャワーを浴びるせいで、水道代とガス代がもったいないと感じさせてしまっているなど)
とくに、姑に関してはより難しいと思います。
イタリアも日本と同じく、嫁姑問題あります。詳しくははこちらをご覧ください。「日本だけじゃない、イタリアにもある嫁姑問題。マンマ、キョーレツ問題。」
ただ、本当は嫌味を言ってるわけではないのに、思い込みですれ違ってしまうケースもあると思います。
言語の違いから人間関係に悩んだ場合
上に挙げたように、まずは日本人にとってあるあるだと思いましょう。
そして間違った解釈をしていないか考えてみましょう。
あとは、身近なイタリア人やイタリアに詳しい日本人に相談するのがいいかと思います。
その人が「そんなことないよ」「それはあなたの思い違いだよ」と言われたら、それを信じるべきだと思います。
それを信じなければ、結局マイナス思考のままで解決はできません。
それでも、どうしても嫌味を言われている、嫌われているのでは、と思ってしまうのであれば、日本に住む家族や友人に愚痴をきいてもらいましょう。
今はネット回線で簡単に電話できる時代ですしね。
あとは、いつでも帰れると思うことで心にゆとりがもてます。
「ホームステイ(留学)に来ているのだから、期限まで帰れない」「結婚したから帰れない」と思ってしまうと、よりストレスが溜まります。
辛くなったら帰ろう!と、軽い気持ちでいることも大事です。
さいごに
言葉や文化があまり理解できず、そのせいで人間関係に悩んでいる人の気持ちが少しでも軽くなればと思い記事にしました。
私も似たような経験があり、言葉や文化がわかってきた今ではだいぶストレスは軽くなりました。
今の私が過去の私に言葉をかけるなら、「義理家族はあなたの味方だよ、家族の一員としてあなたを大切に思っているよ」と言ってあげたいです。
「それは義理家族に恵まれただけ」と思う人もいるかもしれないし、実際にそうなのかもしれません。
ただ、イタリアは家族をとても大事にする文化です。
例え義理でも、例え期間限定のホストファミリーでも、本当の家族のように特別な存在だと思う人は多いと思います。
海外生活は大変ですが、日本人だということを一旦忘れてみるのもいいかもしれません。
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