「イタリアの最も美しい村(I borghi più belli d’Italia)」のひとつとされているチヴィテッラ・デル・トロント(Civitella del Tronto)はアブルッツォ州テラモ県にあります。
この街にはイタリアで一番狭い階段と、イタリアで唯一陥落しなかった城砦があります。
車で向かう途中に、丘の集落が見えます。まさにここがチヴィテッラ・デル・トロントという村。
村の一番高いところにはFortezza di Civitella del Trontoという城砦があり、広さは2万5000㎡とヨーロッパの中でも広大なものです。
歴史ある街並み
駐車場に車を止めると入口からまさに観光地の雰囲気。
狭い石畳の道、歴史を感じる石造りの家、ヨーロッパならではの美しい古き良き街。
こういう古い街の古い家に住んでいる人ってお金持ちばかりなんだそう。
ヨーロッパは古い家ほど価値がありますからね。
でも道は狭いし、土地も狭いし、石畳だし、住みにくそう。
だけどお金持ちは普段住んでいるわけではなく、別荘として所持している人もいるそうです。
イタリアで一番狭い階段がこちら。
狭さ、わかりますか?
私の義父はガタイが良くXXLサイズですが、意外と彼も通れるくらいの広さです。(横向きで行けばw)
城砦にはこの坂を上っています。
「Fortezza di Civitella del Tronto」
Fortezza(フォルテッツァ)とは「要塞」「砦」という意味で、日本語だと「チヴィテッラ・デル・トロントの要塞」と呼ばれています。
この要塞は16世紀にスペイン人が建てました。
イタリアが分裂していた当時、この要塞はナポリ王国の最北の要であり、イタリアを統一するため戦争が起きました。
チヴィテッラ・デル・トロントの戦争は1年続き、1861年にイタリアは統一されました。
しかし、負けたくない彼らは統一の知らせを受けてもそれから3日間戦い続けたとして、有名な話です。
ここは団体観光客も訪れる観光地。
入場料6€で、要塞の見学と中にある武器の美術館も見学できます。
ここは王様の部屋だったとか。ただし実際には住んでいなかったそうな。(日本のお城もそうですよね)
右にある修繕された小さい建物は教会です。
ここは恐らく兵士たちの部屋だったのではないかと言われています。
日本のお城なんかも、簡単に攻め込まれないように色々な工夫がされてますが、イタリアの要塞も同じアイデアが多いなと感じます。
とくにここはとても攻め込みにくい作りになっているため、観光客にとってはちょっとした迷路です。
イタリアで敵に突破されなかった唯一の要塞です。
ここは兵士たちの居住地で、井戸やパンを焼いていた窯も残っています。
馬小屋。
左の段差になっているところに、丸い金具があります。そこに馬をつないで、段差になっているところが餌を貯めるところ。
荷車のタイヤ下あたりに一本の溝が通っていて、排出物を流す仕組みになっています。
昔のトイレ。
洞窟もあります。が、ここは新しく作られたところで、昔は雨水がここを通り貯水庫に繋がっていたそうです。
他にも牢屋などもありましたが、真っ暗で写真がとれませんでした。
囚人は動物のような扱いを受け、拷問を受けたりして独房で死んでいったそうです。
それに対して母が「えっ。じゃあここで人が死んでるの?」と聞くと、ガイドしてくれた友達が「そこら中で死んでるよ!今立っているところだって」と応えました。
戦場だったのだから当たり前ですよねー笑
さいごに
ここ、チヴィテッラ・デル・トロントのお隣はすぐマルケ州で、アスコリ・ピチェーノというこれまた素敵な街があります。車だと30分ほど。
お肉が入ったオリーブをフリットした料理「アスコラーネ」が格段にうまい!!
ご旅行の際は是非セットで訪れてみてください。
↓アスコリ・ピチェーノ↓
\アブルッツォ観光/
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