イタリア語で、推測・憶測・予想などを表現する場合、あなたならなんと言いますか?
- 彼はパーティーに来るだろう
- 今日は雨が降るだろう
- 小包が届くかもしれない
- 面白そうだ
- 彼はもうイタリアに到着したんじゃないかな
このような不確定な言い方のイタリア語は何通りもありますが、状況・表現によって使い分ける必要があります。
どんな表現があるのか?どう違うのか?を解説します!
forse 多分・ひょっとしたら
forseとは「多分・ひょっとしたら・おそらく」などを意味する副詞です。
難しい文法を使う必要がないため、イタリア語初心者でも簡単に使えます。
Forse vado a pranzo con Marco. 多分、マルコとランチに行く。
Marco viene forse. マルコは来るよ、多分。
Forse piove. 多分、雨が降るよ。
ただし、不確定要素が強くなるのでむやみやたらに使わないほうがいいでしょう。
例えば、会議など重要の場面ではforseを使うより「私の意見では…/secondo me」「(私が)間違っていなければ…/se non mi sbaglio」などを使ったほうがいいです。
pensare/credere + 接続法 ~だと思う
自分の主観を伝える「~だと思う」はイタリア語では、penso che… やcredo che…などを使います。
cheのあとは接続法を使うのが基本ルールなので、接続法の活用を覚えなくてはいけません。
ちなみに…確実性・現実性が高ければ直説法を使うことは可能です。かつ、現代は若者を中心に使われなくなってきています。とはいえ、接続法を使わないと不自然なことも多いので、イタリア語学習者は覚えなくてはいけない文法ですね。
Penso(Credo) che venga Marco. マルコは来ると思うよ。
Penso(Credo) che piova. 雨が降ると思う。
※未来のことであれば、未来形を使ってもOK!
Penso che pioverà.
接続法を使う表現
pensare 思う・考える
credere 考える・信じる
immaginare 想像する・思う
sembrare ~のようだ・~のように見える
注意:主語が一致する場合は接続法は使わない
“私は私が~すると思う。”のように、主語が一致する場合は「che + 接続法」ではなく、「di + 不定詞」になるので注意です。
Penso di andare a pranzo con Marco. 私はマルコとランチに行くと思う。
“私は彼が~すると思う”など、主語が一致しない場合にしか接続法は使えません。
未来形(直説法未来) ~だろう
未来形は未来への意思や想像、または不確かな表現ができます。
日本語には未来形という形がないため、日本人にとって若干難しい文法ですね。(接続法、条件法も然り)
未来の推測・憶測・予想であれば、確実に未来形を使います。
Pioverà. 雨が降るだろう。
Andrò in Italia tra un anno. 私はイタリアに一年後に行くだろう。
Arrivà il pacco. 小包が到着するだろう。
potereの条件法 ~かもしれない
条件法というと気が引ける人もいるかもしれませんが、potereの活用だけ覚えればいいので意外と使いやすい表現です。
potereは従属動詞なので、potere(条件法)+不定詞になります。
Potrebbe piovere. 雨が降るかもしれない。
Potrebbe arrivare il pacco. 小包が届くかもしれない。
Potrei andare in Italia. 私はイタリアに行くかれもしない。
Potrebbe venire alla festa. 彼(彼女)はパーティーに来るかもしれない。
日本語でいう「~だろう」というよりは、「~かもしれない」という表現のほうが近いかなと思います。
なぜなら、条件法は何かしらの条件が加わっているため「条件法」と言います。
potereの場合は「可能なら(できれば)~するかもしれない」というニュアンスが強くなります。
saràとsarebbeの違い
「~だろう」「~そう」と表現するとき、sarà(未来形)やsarebbe(条件法)を思い浮かべる人も多いでしょう。
Sarà buono.
Sarebbe buono.
どちらも「美味しいだろう/美味しそう」と訳せますが、実は違いがあります。
上のpotereの条件法でも言ったように、「何かしらの条件があるから条件法」なのです!
Sarebbe buono (se ci riuscissi bene). (君がうまくできるのなら)美味しそう。
Sarebbe buono (se ci mettesse il peperoncino). (唐辛子が入っていたら)美味しそう(なのに)。
つまり、単純に「美味しいだろう/美味しそう」という場合は未来形を使います。
“Sembra buono.(直訳:美味に見える)”とも言えますね!
過去 ~しただろう、~したらしい、~したと思う
「彼はイタリアに着いただろう」
このように過去の不確かな表現をするときもいくつかの表現があります。
これらはこの記事に出てきた今までの文法を過去形にすればいいだけです。
pensare/credere + 接続法過去 ~したと思う
まず、この記事の最初の方に説明した接続法を使うと以下のようになります。
Penso che lui sia arrivato in Italia. 彼はイタリアに着いただろう。
「~だと思う」は現在形ですが、それに対して「~着いた」は過去形なので、penso cheのあとは接続法過去を使います。
credereやimmaginareなども同様です。
potereの条件法過去 ~したかもしれない
Potrebbe essere arrivato in Italia. 彼はイタリアに到着したかもしれない。
Potrebbe avere preso un caffé. 彼はコーヒーを摂ったかもしれない。
このようにpotrebbe+助動詞の不定詞(essere/avere)+過去分詞になります。
Potrebbe piovere. 雨がふるかもしれない。
→Potrebbe avere piovuto. 雨が降ったのかもね。
(地面が濡れてるのでおそらく雨が降ったんだろう、というようなニュアンス)
逆にpotereを過去形にしてしまうと
Avrebbe potuto piovere. 雨は降ったかもしれない(のに)。(実際には降らなかった)
というように実際には現実しなかった過去の表現になります。
(雨乞いを正しく行えば雨は降ったはずなのに、手順を間違えたせいで実際は降らなかった、というようなニュアンス←例文が難しい…)
saràとsarebbeの過去の違い
これもさきほど説明したものと同じで、現在か過去かの違いです。
Sarebbe arrivato in Italia. 彼はイタリアに着いたらしい。(条件法過去)
Sarà arrivato in Italia. 彼はイタリアに着いただろう。(前未来)
条件法過去は≪見聞≫に対する「~らしい」に対し、前未来は≪憶測や想像≫に対する「~だろう」です。
微妙に違うので注意です。
まとめ:例「雨が降るだろう」
Forse piove. ひょっとしたら雨が降る。
Penso che piova. 雨が降ると思う。
Penso che pioverà. 雨が降ると思う。
Pioverà. 雨が降るだろう。
Potrebbe piovere. 雨が降るかもしれない。
Pioverebbe se credessimo in Dio. 神を信じれば雨が降るだろう。
Potrebbe avere piovuto. 雨が降ったのかもね。
Avrebbe potuto piovere. (~であれば)雨は降ったかもしれない。(実際は降らなかった)
さいごに
日本語でも「~かもね」「~じゃない?」「~だと思うけど」「~でしょう」「~らしい」と、不確定要素を伝えるには様々な表現があり、この使い分けはネイティブ並みの語学力ではないとなかなか難しいです。
イタリア語も同じで、条件法や接続法はイタリア人にとっても難しいです。
実際に使っていくことで自然と違いが身に付いていくので、アウトプットを行いましょう!
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コメント
はじめまして。イタリア語検定にチャレンジ中の50代です。ネギさんのブログは解りやすく楽しいので、これまでなんども覗かせて頂きました。難しい検定問題集に向かっている最中、ここに訪れるとなんだかホッとします。そして「ネギ」というお名前が妙に頭から離れないのです。笑
どうか長く続けてくださいね。楽しみにしています。
>Yukaさん
嬉しいコメントありがとうございます!励みになります。
スローペースですが、更新は続けていきますので今後ともよろしくお願いします!