出典:https://ricette.donnamoderna.com/idee-in-cucina/frutta-verdura-stagione-aprile-maggio
イタリアに住んで思ったのが、「鍋に入れる野菜がない!!」「根菜を使った煮物が作れない!!」「売られている野菜が違うから作れる料理が限られている…」です。。
イタリアでは、ニラ、もやし、白菜、水菜、和風のキノコ類、青梗菜、小松菜、大根、ゴボウ、レンコン、カイワレ大根、ブロッコリースプラウトなどが手に入りにくいです。
※場所やお店によっては手に入るものもありますが、これらはイタリアでは一般的ではないため、どこにでもあるわけではありません。また、中国人経営のスーパーでは、手に入りやすいものもありますが、近くにそのスーパーがないこともあります。
そこで、少しでもお役に立てるよう私の経験と知り得た情報を、イタリアに住む日本人に共有したいと思います!
春キャベツのようなとんがりキャベツ
↑画像クリックで楽天市場に飛びます。※種の輸出入は制限されている可能性があるので、国外へ持ち出す場合はご自身で調べてみてください。
日本では珍しいとんがりキャベツ。
イタリアやヨーロッパでは手に入る地域も多いかと思いますが、これ春キャベツのようにやわらかくて美味しいんです!
イタリアで売られている主なキャベツは、白くてまん丸なCavolo cappuccio biancoか、ちりめん模様のVerzaかと思います。
白くてまん丸なキャベツは生では食べるにはつらいほど硬く、ちりめん模様のキャベツは苦味が強くこれまた生ではつらいため、煮込み料理に使います。
なので生の千切りキャベツが食べたくてもなかなか食べられない中、このとんがりキャベツは日本のキャベツと遜色ありません!
英語では「Sweetheart Cabbage」、イタリア語では「Cavolo cappuccio cuore di bue」と呼ばれます。※別名もあるかもしれません。
ちなみに、日本でよくみる平べったいキャベツを私は何回か見つけたことがあります。味も柔らかさも日本のそれと同じなので、見つけたら絶対買います。
ニラの代用ができるaglietto(アリエット)
引用:https://agricolatabasso.it/prodotto/aglietto-fresco/
このAgliettoは、ニンニクの香りがするネギみたいな野菜です。
ニラとは少し違いますが、餃子やニラ玉などには代用するにはまあまあ良いかと思います。
これにそっくりな、Cipollotto/Cipollinaというネギ系の野菜もありますが、それとは違うので注意です。
※見分け方は、緑の部分がAgliettoは平たくニラみたいになっています。Cipollotto/Cipollinaは長ネギのように緑の部分が丸く空洞になっています。
和食や中華に大活躍な葉玉ねぎ
上記で紹介したAgliettoとそっくりな野菜ですが、これはニンニクの香りはせず長ネギの代用として大活躍です!
日本の長ネギのようなネギはイタリアにはないため、このネギを使っている在外邦人は多いのではないでしょうか。
※Porro(リーキ)と呼ばれる長ネギに似た野菜はありますが、個人的にはこちらの方が和食に使いやすいです。
イタリア語では「CipollottoやCipollina」と呼ばれ、日本語では「葉玉ねぎ」と呼びます。※別名もあるかもしれません。
鍋に最適なチコリア
引用:https://www.lacollina.bio/it/ortaggi/185-cicoria-catalogna-bio.html
イタリア語でCicoriaと呼びますが、イタリアのCicoriaってめちゃくちゃ種類あるんですよね。
同じ名前でも見た目が全然違うものもありますが、私が鍋にオススメしたいのは上の画像の野菜です!
ほどよく茎と葉っぱがあるため、鍋にしても食感を楽しめます。
大根おろしの代用
最近はイタリアでも青首大根が手に入りやすくなりましたが、場所によっては手に入りづらいかと思います。(また、繊維質であまり美味しくない大根もあります)
そんなときに代用できるのが「二十日大根(ラディッシュ)」です!ミニトマトサイズの赤い大根です。
二十日大根と呼ばれるほど、味は大根に似ています。
小さいので大根の煮物のような料理には代用しにくいですが、大根おろしなら代用には最適です。
また、新鮮な葉っぱがついていればそれも料理に使えます!
ちなみに二十日大根はプランターでも栽培しやすいので、家庭菜園にオススメ!
地中海原産のエリンギ
エリンギって地中海が原産だってご存知でしたか?
なのでイタリアでも比較的簡単に手に入ります。(どこのスーパーにもあるわけではなく、また手に入りやすい時期もあるかと思います。)
キノコ類も日本とイタリアでは種類が違うので、料理に悩むひとつですが、エリンギが手に入るのは嬉しいですよね!
和食に最適なコールラビ
コールラビを聞いたことある人もいるかと思いますが、イタリアやフランスなどでは比較的手に入りやすいヨーロッパの品種です。
大根とカブとキャベツを掛け合わせたような野菜で、アクが少ないため生で食べることもできます。
イタリアの野菜は苦味やアクが強いものが多いため、和食には使いづらいものも多いのですが、これは漬物や野菜炒め、煮物にも使える日本人には嬉しい野菜!
ブロッコリーの茎部分のように、外側は繊維質なので厚めに皮を剥きましょう。
コールラビはドイツ語で、イタリア語はCavolo rapaと言います。
皮がやわらかいキュウリの代用
私の住むアブルッツォでは手に入りやすい野菜ですが、もしかしたら他の地域では少し珍しい野菜かもしれません。
これ、日本語では「ヘビメロン」と呼ばれますが、甘みはまったくなく、きゅうりに近い味です。
イタリア語ではTortarelloと言います。
イタリアでも日本のきゅうりの見た目に似た、濃い緑のきゅうりが見つかり、もちろんそれもきゅうりとして使えるのですが、皮が硬いため個人的にはこちらの方が好きです。
ただし、表面に若干の産毛があるので苦手な人は苦手かもしれません。
また、育ちすぎたTortarelloは種の主張が強くなり(まさにメロンの種のような)、鮮度が落ちたものはブヨブヨしてしまうので、なるべく新鮮なもの・硬いもの・大きすぎないものを選びましょう。
カブの葉
なんとイタリアでもカブが手に入ります!
しかし、私が目的としているのはカブよりもカブの葉!
カブの葉はクセが少ないため、和食にはとても使いやすい!煮物の彩り、鍋、万能薬味に!
もちろん実も美味しくいただけるので、カブの実と葉っぱの浅漬けを作ると一気に日本の風が吹きます。
上の写真のように、実は小さいけど葉っぱは立派というものも多くて、個人的にはありがたいです。
(たまに葉っぱを切り落とされているのもありますが…)
育ちすぎた玉ねぎは万能ねぎの代用
玉ねぎってうっかり放置しすぎて芽が出てきちゃった~!なんてことはありませんか?
そんなときは、私はあえて放置し、必要な分だけ出てきた芽を薬味替わりとして使います。
玉ねぎ本体が土壌の役目をしてくれるので、これが結構長持ちするんです。
玉ねぎの芽は食べても問題なく、かつ、芽が出てしまっても実も使えるので必要であればどちらも使うことが可能!
ただし芽が育つ分、実はどんどん痩せていくので、実をとるか芽をとるか悩みどころ。
芽を薬味として使用する予定がなければ、早めのうちに実も使っちゃいましょう。
フライングタイガーで手に入るスプラウト栽培用種
ブロッコリースプラウトなどのスプラウト系を、私はイタリアで見たことがありません。
しかし、デンマークではスプラウトが食べられているらしく、種がなんとフライングタイガーで購入できるんです!
デンマーク発祥のリーズナブルでかわいい雑貨屋さん「フライングタイガー」。イタリアでは「タイガー」の名前の店舗も多いです。
種類も様々で、さきほど紹介したコールラビ、ガーリックチャイブ、マスタード、ケールなどなどのスプラウトの種がたくさん!
いくつか試してみましたが、やはりそれぞれ味が違います。コールラビが一番食べやすく、マスタードは辛みが強いです。ガーリックチャイブはニンニクの香りが強く、ケールは苦味が強いです。
私はスプラウトを生ハムで巻いて、ちょっとマヨネーズつけるのが好きです!
もちろんカイワレ大根の代用にもなります!(大きさは小さいですが)
意外と手に入るもやし
意外と普通のスーパーで、もやしが手に入ります。
生のもやしと缶(おそらく酢漬けが多いかな)のもやし。
サラダや和え物として使うには、缶のもやしで十分です。
うちの近所のスーパーでは、大豆や緑豆ではなく、あずきの生のもやしが手に入ります。
ただし、日本でみるもやしよりは細く、値段も1パックで1.5€ほどするので貧乏人に優しくないもやしです笑
でも、必要なときに手に入るのは助かるので、たまに買っています。
おまけ・ケールチップスは止まらない
出典:https://centrofruttamilano.it/prodotto/cavolo-nero-toscano/
ケールのひとつである、カボロ・ネーロ(Cavolo nero)。
イタリアのトスカーナの品種のため、イタリアン・ケールやトスカーナ・ケールなどとも呼ばれます。
これを一口サイズにちぎり、オリーブオイル、塩、ガーリックパウダーであえ、220度のオーブンで5分ほど焼くと、パリパリのおやつやおつまみになります!
ケールは栄養価が高い野菜なので、罪悪感なく食べられてオススメです!
さいごに
日本の野菜がなかなか手に入らない環境だと、はじめのうちは何を作っていいかわからなかったり、アクや苦味が強い野菜を使って失敗した…なんてこともよくあるかと思います。
本当は、その土地で作られた野菜を使い、その土地にあった料理を作るのが一番おいしい方法なんでしょうけど、和食も食べたくなりますよね。
この記事で少しでも、海外に住む日本人に役立てば幸いです。
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