海外移住の国民年金、払う?払わない?【損得をわかりやすく説明】

海外に移住された方は、年金は任意になり支払う義務はありません。

払い続けるべきか?払うのをやめてしまうか?

私も移住した当初は迷って色んな人に相談したり、ネットで相談もしました。

結果、私は払うことに決めましたが、まわりの意見は賛否両論でした。

しかし最終的には自分で決断を下さないといけないので、よく考えてくださいね。

※年金について詳しくない方のために、わかりやすく記述しています。詳しくは年金機構のHPをみればわかりますので、これを読んで興味を持った方はご自身で調べてみてください。

 

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海外在住者に聞いてみた

ネットやイタリア在住日本人の知り合いに「任意の年金を払っているか」聞いてみました。

結果は、どちらも比率は同じぐらいでした。

海外に住んでいる人を対象としたアンケート(現在は非公開で閲覧ができず…)には、払っていないという方が多かったです。

ただし、国によっても制度が違うので、払ってない人が多いからという理由で任意加入しないのは軽率だと思います。

 

年金の協定国

以下の国々は日本の年金と協定ができているので、住んでいる国の年金を納めていれば相互に通算されます。(平成29年8月時点)

ドイツ・アメリカ・ベルギー・フランス・カナダ・オーストラリア・オランダ・チェコ・スペイン・アイルランド・ブラジル・スイス・ハンガリー・インド・ルクセンブルク

 

勘違いされている老齢基礎年金の現状

老齢基礎年金とは、いわゆる老後にもらえる国民年金の年金のことです。

年金制度には、老齢年金・障害年金・遺族年金・死亡一時金等があり、もらえる年金は老齢年金だけではありません。詳しくは下で説明します。

 

支払い額はどんどん上がっていき、将来は年金がもらえないかもしれない、なんてよく聞きますが、国民年金の支給額は今のところ大幅に下がってはいません。

支給額が下がったのは厚生年金です!

(海外在住の方の任意の年金は国民年金の扱いになります)

また「将来、何歳で年金がもらえるかわからない…」なんて言われてますが、

国民年金の支給開始の年齢は65歳で、これは国民年金制度導入時から変わっていません!

支給開始の年齢が引き上がっているのは、厚生年金の話です!

「国民年金」と「厚生年金」の話がごっちゃになっている人が多いですね。

ここでは海外移住者の任意加入の話なので、国民年金についてのみお話します。

ただし、日本は現在インフレ状態にあり、日本円の価値が下がってきています。そのため、ウン十年後に受け取る年金の額が現在と同じ額だとしたら、生活はより苦しくなると思います。
例えば、現在10万円で生活できている人は、将来、同じ生活をするなら20万円が必要となるかもしれない、ということです。

将来、老齢年金はもらえるのか?

上に書いたように、今のところは「支給額」は大きく変化はしてなく、「支給開始年齢」もずっと65歳のままです。

※繰り上げ受給、繰り下げ受給は可能です。つまり、60歳から早めに受け取ることもできますが、その場合は減額されます。

ただし、30年、40年先、どうなっているかは誰にもわかりません。

※政府も少子化を見込んで対策を行っているため、「少子高齢化だから破綻している」と安易に考えてはいけないのかなと思います。

国が、年金機構がこれからどういう対策をとっていくのかが重要で、実際、未納者への対応も厳しくなり、年金カット法案も施行されることになりました。

満額受給するためには20歳から60歳まで、滞りなく年金を納めているのが条件です。

 

将来、年金制度が改善されるかもしれない

国民年金と厚生年金の間には大きな隔たりがあります。

国民年金を20歳から60歳まで払い続けた場合、現在の支給額は約5.5万円に対して、厚生年金を払い続けた人の支給額は平均14、15万円と言われています。

この差を小さくしようという動きもあり、将来はもしかしたら改善され、希望が持てるときが来るかもしれません…笑

また、納付額はどんどん上がっていますが、もしかしたら下がる可能性も…

これは一部の希望です。これにすがるかどうかはあなた次第…。

※そのため、IDECOが現在ありますが、協定国以外の海外在住者の場合は加入できないため、意味がないですね。

 

10年以上かけていれば年金は支給される

今の年金制度の場合、10年以上年金保険をかけていれば(年金を払っていれば)、受給資格はあります。

もちろん今までかけてきた金額から算出するので、国民年金を10年しか払っていない場合は雀の涙くらいかもしれません。

一方、1,2年しか年金を払わずに海外移住した場合、掛け捨てにしたとしても損は少なくなりますね。

 

日本に帰る可能性は本当にない?

日本に帰る可能性もゼロとは言い切れないのではないでしょうか。

住んでみたらその土地に合わず帰国。

親族の面倒をみなくてはいけなくなり帰国。

日本でいい話があり帰国。

結婚したが離婚して帰国。

姑の意地悪でイタリアから日本へ戻った人もいるそうです。

本帰国した際、年金はまた再開されますが払っていなかった分、支給額は下がります。

 

【悲報】国際結婚の離婚率

悲しいことに、国際結婚したカップルの離婚率は70%と言われています…。

半分以上の夫婦が離婚しています。

確率はあくまでも確率なので、当事者次第ですが、一人になってしまったときのことを考えておくのは必要かと思います。

 

見落としがちな障害年金と遺族年金

国民年金は老後に年金をもらえるだけではありません。

障害年金

障害年金という保険も付加されています。

これは万が一、事故や病気で体が不自由になった場合に、月々振り込まれる年金のことです。

知り合いの息子さんも、若くして交通事故に遭われ、動けない体になってしまいましたが、年金のおかげで助かっていると言っていました。

 

遺族年金

また、遺族基礎年金も、自身の身に不幸が起きこの世を去ってしまった場合、18歳以下(障がい者であれば20歳以下)の子供に支払われる年金です。

上記の年齢以下の子供がいた場合は、少なからずお金を残せます。

じゃあ、子供がいない場合や、子供が成長してすでに大人の場合は年金の意味は全くなくなるのか?というと、そうでもなく「死亡一時金」というのがあります。

 

死亡一時金

年金をかけていても、受給前に死んでしまったら意味がない…と思っている人が多いですが、受給前に亡くなっても家族が死亡一時金を受け取ることができます。

全く無意味ではありません。

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イタリアの場合、労働者以外は年金を払えない

イタリアの場合、日本でいう国民年金制度はなく、労働者しか払えない年金(日本でいう厚生年金)しかありません。

家事を仕事とし、申請することも可能なのですが月々の支払額が数千円程度なので、もらえる金額も月1万円ぐらいではないか、とのこと。

そして日本と同じように年金制度は決して良好とは言えません。

イタリアに移住の場合は尚更、簡単に年金を見放さずに考えた方がいいですね。

 

私からのアドバイス

結婚等で移住し、安定した仕事がない状態ならしばらく払い続けた方がいいと思います。

国際結婚だけの話ではありませんが、将来何が起きるかわかりません。

自分で納得するまでは、とりあえず払っておいた方がいいと思います。もしくは10年に到達するまで払い、その後考え直してもいいかと思います。

 

「日本での支払い管理が大変だから払わない」という人もいますが、これが理由ならちょっと安易かなとも思います。

年単位で前納もできます。

両親や兄弟など、頼れる人がいれば代理人を立てることもできます。

 

「日本で年金を払うよりも将来のために貯蓄した方がいい」という意見もありますが、自己管理はかなり大変だと思います。

もちろん納付するはずのお金をまるごと貯金できたら将来安心です。

しかし人生何があるかわかりません。「障害年金」や「遺族年金」のメリットも見直してみてください。

その分、生命保険に回したほうが良い…という考えもありかもしれませんが、国民年金のメリットとはまた違うのでご自身で見比べてみてください。

※ちなみに、生命保険の積立や、銀行(金利がいい国なら別ですが)に貯金をするぐらいなら投資信託を行った方が断然良い、と私は思います。詳しいことはFPなどに相談するといいかもしれません。

 

年金を払い続けた場合のデメリットとしては、月々約17000円という決して軽い負担ではないということ。

老齢年金だと長生きしなければ取り戻せませんし、支給額がかなり下がる可能性もあります。そうすると少ない年金では長生きしても大変です。

だったら自分の身は自分で守る!と言うのも、将来かしこい選択になるかもしれませんね。

 

私からは「払うべきだ」とも「払わないほうがいい」とも言えません。結局は自分で決めるしかないのです。だけど、「よくわかんないし、みんなが年金は意味ないって言うから任意加入はしない」と安易には決めず、損のないようによく考えて決めてください。ちゃんと決心するまでは払い続けることをオススメします。

 

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