「奥さん、安いよ!これどう?」
「旦那、旦那!寄っていきませんか?」
「お嬢ちゃん、迷子なの?」
「坊や、早く家に帰んな。」
…というように、日本語にも知らない人を呼びかける代名詞はありますが、実際に使う人は限定的かと思います。
しかし、イタリアではよく使います。
また、状況によっても代名詞が変わります。
イタリア語の代名詞をまとめてみました!
「すみません」と知らない人を呼びかける代名詞
およそ25~30歳以下の『女性』に呼びかける
Signorina スィニョリーナ
-Scusa, signorina! ちょっと、お嬢ちゃん!
–Signorina! Non puoi entrare! お嬢ちゃん!入っちゃいけないよ!
およそ25~30歳以上の『女性』に呼びかける
Signora スィニョーラ
-Scusi, signora! すみません!
–Signora, ha lasciato l’ombrello? あの、傘忘れていませんか?
※やはりSignoraに代わる適切な日本語はないように思えます。個人的に「奥さん」は使いたくない言葉だし、「ご婦人」が一番適切かとは思いますが、現実的にあまり使わないですよね…。環境にもよるかもですが。
★SignoraとSignorinaの使い分け
基本的な考えとしては、未婚か既婚かです。
既婚者にはSignora、未婚者にはSignorinaですが、
知らない人に対してだと、その人が結婚してるかどうかなんてわからないですよね。
つまり知らない人に対しては、見た目で判断するのではっきりとした基準はありません。
20代前半でも大人っぽい服を着て落ち着いた雰囲気であれば、Signoraを使うこともありますし、
30代でも幼く見えればSignorinaを使うこともあります。
とくに日本人は若く・幼く見られるので、30歳過ぎててもSignorinaと言われるかもしれません。
逆に、10代に対してSignoraを使うのは「そんなに老けてる?」と思われるし、50代に対してSignorinaを使うのはバカにしているニュアンスにもなるので注意です。
『男性』に呼びかける
面白いことに、女性とはまた基準が変わってきます。
若い男性に対して、Signorinaのような敬称はないため、
10代までの男性に対しては『Ragazzo ラガッツォ』
20代ぐらいからは『Signore シニョーレ』になります。
この辺も使い分けの基準が曖昧ですね。
親しみを込めた代名詞 BelloやBella
BelloやBellaは親しみを込めて使うカジュアルな代名詞です。
※男性に対してはBello、女性に対してはBella
※注意※ 上の例文のような「すみません」と呼びかける場合には使いません。
【例1】バールなどのお店で
-Buona giornata, bello! 良い一日を!
【例2】知人が見知らぬ人一緒にいるので
-Chi è questa bella? この美人さんは誰?
【例3】近所の人に対して
-Ciao belli! こんにちは、みなさん
belli=複数(男性のみor男女混合)
belle=女性のみの複数
※ただし、イタリア人全員がこれらを使うわけではなく、個性によって使う人と使わない人がいます。やはり本来の意味は『美しい・美人』なので、抵抗ある人は使いません。陽気な人当たりいい人は使うイメージですね。
代名詞で人を説明する【知り合った・出会った】
「とある人と知り合ったんだけど…」
「ある男性に話しかけられたんだ」
「今日、女性が来たんだけど」
このような代名詞を設ける際、前述した代名詞とはまた少し変わってきます。
およそ40歳以下の女性の代名詞
Ragazza ラガッツァ
-Ho conosciuto una ragazza. ある女の子(女性)と知り合ったんだ。
-Oggi è venuta una raggazza. 今日、ある女の子(女性)が来た。
およそ40歳以上の女性の代名詞
Signora スィニョーラ
-Ho conosciuto una signora. ある女性と知り合ったんだ。
-Una signora mi ha aiutato. ある女性が私を手助けてくれたの。
『男性』の代名詞
この場合は、『呼びかける代名詞』とは違い、女性の年齢基準とほぼ同じかなと思います。
30代までの男性に対しては『Ragazzo ラガッツォ』
40代ぐらいからは『Signore シニョーレ』になります。
まとめ
- 「ちょっと、すみません」と直接呼びかける場合と、「とある女性・男性が…」と間接的に語る場合とで、代名詞が変わってきます。
- 定義はないため、人や地域によって感覚が違うかもなのであくまでも参考に。
- 若い女の子はsignorinaという敬称があるのに対し、若い男の子には敬称はありません。
これらの感覚は日本語とは違うので、慣れる必要がありますね。
ただ、「すみません!(Scusi!/Scusa!)」と呼びかける場合、代名詞を使わないと相手に伝わらないということはないので、無理して使う必要はありません。
しかし、呼びかけられる可能性はあるので、イタリアに行く際は覚えておくといいかもしれません。
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