イタリアを真ん中に縦断しているアペニン山脈の中で一番標高が高い山がグラン・サッソ(Gran Sasso)で、標高2912m。
グラン・サッソとはイタリア語で大きな岩(石)という意味で、名前の通り岩肌の厳かに佇む山です。
登山の代表的なスタート地点はプラティ・ディ・ティーボ(Prati di Tivo)または、カンポ・インペラトーレ(Campo Imperatore)の2つで、その中でもいくつかルートはありますが、今回はその中でも一番簡単なルートを紹介します。
グラン・サッソでスキーや登山に興味ある方は参考にどうぞ!
プラティ・ディ・ティーボ
プラティ・ディ・ティーボはアブルッツォ州テラモ県にあり、スキー場やいくつかのホテルも構えるスキーリゾート地。
雪の積もる季節はスキーやスノボーで、それ以外の天気のいい日は登山やトレッキング・ハイキングなどので賑わいます。アスレチックパークもありますし、ファットバイクで急斜面を走っている人もいました。
ただ近年はスキーができる時期がピンポイントです。
2017-2018にかけてのシーズンは、なかなか雪が降らず1月末にはまだオープンしてませんでした。3月中旬にしっかり雪が降り賑わっていましたが、その後すぐ気温が高くなり春が訪れたため、スキーできた期間はかなり短いと思います。
日本からスキーを計画するのは難しいかもしれませんが、スキー以外にもトレッキングなどはできます。
またここから車で10分ほどのピエトラカメーラ(Pietracamela)という古い可愛らしい街があるので、是非こちらもセットで訪れてみてください!
グラン・サッソ登山をしよう
今回はプラティ・ディ・ティーボから一番簡単なルートを紹介しますが、一番簡単とは言え、小さなお子さんには難しいと思います。
私たちは、山頂までではなく途中の山小屋でランチを食べて下山しました。
山小屋までは1時間~1時間半ほどかかりますが、体力に自信がない方も岩が多く足場が悪いため、かなりの体力が奪われます。友達はしばらく筋肉痛だったそう笑
お子さん連れや体力に自信がない人は、頂上や山小屋まで行かずとも、リフトの上から景色を楽しむだけでも十分価値がありますし、リフトは乗らず別のルートからハイキングを楽しむこともできます。
本格的な登山をしたい方は、山小屋に泊まることもできます。
注意:岩山のため非常に足場が悪いです。雨が降ったらかなり危険なので、登山をする際は天候に十分気を付けてください。
リフトを使って標高2007mまで登る
(写真はリフトの中から)
プラティ・ディ・ティーボは標高1449mに位置し、リフトを使って標高2007mまで一気に登ります!グラン・サッソの一番高い標高は2912m!
一気に登った感じがしますが、登山は簡単ではありませんのでなめたらアカン!
リフトを使わず登ってくることも可能ですが、これはどんなに足腰に自信があっても死ぬ思いだと思います笑(上の写真の急斜面を登ることになります)
私の旦那は一度、リフトの乗り口から降り口まで自分の足で登ったそうですが、もう2度とやらないと言ってました。
リフトは往復使い切りで12€のチケットを購入します。
スキーを楽しむ場合は、半日券(20€)、1日券(25€)があります。
こちら、冬の景色です!リフトを降りるとこんな景色が待ってます!
冬に登山は危険なので、このときはこの景色を見ただけでした。
海を眺めながら山小屋を目指す
リフトを降りれば、登山道があるのでそれに沿って行けば問題ありません。
岩山で木が少なく、視界が開けているので遭難する危険は少ないと思います。
始めの方で、山頂を目指すか、山小屋を目指すかでルートが二股に分かれていますが、今回は山小屋の方へ。
イタリアの山の中で、海が見えるのはアブルッツォ州だけなのです。
このグラン・サッソか、南アブルッツォ州にあるマイエッラ(Majella)という山の、この2つが海の見える山。
インスタ映えしそうな通り道もありました!
でもインスタ映えのセンスが私にはないので、みなさんにお任せします~
登山に慣れている人なら小一時間、休み休みでゆっくりきた人は一時間半ほどで、山小屋が見えてきます!
山小屋でランチ
山小屋につきました!「Rifugio Carlo Franchetti」というところです。今回、私たちはランチのみですが、泊まることも可能です。(ただし個室はなくみんな一緒の大部屋)
海を見ながら山の上でランチ!!
この日は9月中旬。天気が良ければ陽射しが強く、半袖でも平気なほどですが、やはり山なので日陰は肌寒いです。
イタリアで山のご馳走と言えばポレンタ!
ポレンタとは、とうもろこしの粉から作られていて、少しゼラチンっぽいマッシュポテトのような食感と味です。
左が私が頼んだイノシシのポレンタ。右は友達が頼んだトマトソースのポレンタ。
正直に言いますね。
美味しくなかった…。オレガノや胡椒などハーブが強く、私は好みではありませんでした…。
友達のトマトソースのポレンタは塩分強めでした。
この日が悪かったのかもしれません。去年も来た義父は、イノシシのポレンタを食べて美味しかったそうです。
じゃあデザートに期待!と思いチョコレートケーキを頼んだら、入れ違いで完売…。もうなんのためにここまで来たのか…号泣
でも最後に食後酒のジェンツィアーナ(Genziana)を飲めて、うん、良しとします笑
イタリアでは食後酒のショットは一般的で、消化を助けてくれる働きがあります。
アブルッツォ州に来たら、ここでしか飲めないジェンツィアーナを是非!(ただし、ほとんどの日本人は始めの一杯で好きになる人はいませんw慣れると癖になります!)
ちなみに…ここの山小屋、8月に毎年日本人の方が働いているそうですよ~。私が行ったのは9月だったのでお会いできませんでしたが。
グラン・サッソ山頂を目指せ!
私は行きませんでしたが、興味がある方は是非山頂まで登ってください!
山小屋からは道がゆるやかなので、そこまで難しそうではなかったです。
ここは海側から日が昇るので、とても綺麗なご来光が見れそうです。
ちなみに、この断崖絶壁をクライミングする人もいました。
写真ではわかりづらいですが、登っている人たちがいます。ここから見ると蟻のように小さく見えます。
私はクライミングはしたことないので詳しいことはわかりませんが、側面に穴があいていてそこに器具をひっかけて登るみたいです。
しかし命綱なしなので落ちたら死にます。現に何人もの人が亡くなっているそうです。
下山は要注意
「登りより下りのほうが辛い」って言いますよね。
ここはとくにそうで、岩山で足場が悪いため、かなり足の筋力や体幹を使います。
登りは体力を使いますが、達成感があります。
下りは登りよりも短い時間で済みますが、自分の体を支える筋力が必要になってくるため、転んだり怪我をしやすくなります。
リフト乗り場までついたら、往復チケットを使ってリフトでおりてスタート地点に戻ります。
いくつかバールがあるので、一息ついてはいかがですか?
あま~いホットチョコレートもあります。(冬季限定かも)
もちろんここのバールやレストランでもご飯は食べられますので、山小屋を利用しない人はこちらで食べてもOK!
登山に必要な持ち物
わりと本格的な登山になるため、しっかりとした装備が必要です。
「登山用の靴」
せめて靴は登山やトレッキング用の滑りにくい足に合った靴にしましょう。
スニーカーで登る人も稀にいますが、足に負担がかかりますし、雨が降ったときに大変なことになります。
靴下もできれば登山用の厚手のほうが靴擦れ防止になります。
「快適なリュック」
斜め掛けバッグとかは邪魔になるので、肩に負担のかからないリュックで。
「軽い防水ジャケット」
できれば、防水・防風そして邪魔にならない軽いジャケットがあるとベストです。
天気が良ければイタリアは陽射しが強いので登ってれば汗をかくほどです。しかし山の天気は変わりやすく、雨が降れば一気に気温は下がり、濡れた服では体調に影響が出るため、リュックにいれておくと安心です。
そんなジャケットないよ!という場合は、それに近いものを用意しましょう。
「重ね着コーデ」
太陽の下は暑く、日陰は寒く、また天候によっても大きく体感温度が左右されるので、重ね着コーデは必須です。かなり寒くなったときのことも考えた方が無難です。
Tシャツ・薄手のパーカー・軽いジャケット、この3点あれば安心だと思います。
※宿泊する人はもっと暖かい恰好が必要です。
また汗っかきの人は、着替え用のインナーを用意した方がいいかも。
「帽子」
ツバのついた帽子で日除けしましょう。
「絆創膏」
靴擦れしたときのために絆創膏があると助かります。
「水/空のボトル」
もちろん水は必須です。プラティ・ディ・ティーボの駐車場に山の天然水があるので、リフトに乗る前にそこの水を汲んでもOK
「登山用ステッキ(杖)」
こちらはなくても私は平気でしたが、多くの登山者が利用してました。
「ドライフルーツやフルーツのペースト」
フルーツはすぐにエネルギーに変えてくれるため、疲れたときに摂取するといいですよ。
「その他」
日帰りだったらそこまでの重装備は必要ないですが、心配な方は、ライター・ナイフ・懐中電灯・充電器など登山に必要なものもを用意してください。
アクセスと情報
残念ながら車以外の手段で辿り着くのは難しいです。バスもありますが、時間がかなりかかり快適な路線ではないです。
またこちらのサイト「https://www.pratiditivo.it/」にホテル・スキー・イベント・施設・コースの紹介などが載っていますので興味がある方はチェックしてみてください。
さいごに
登山やスキーをしなくても、山や自然を満喫でき、子供から大人まで楽しめるスポットです。バールもありますので、食事などにも困りません。
山が好きな人は、是非アペニン山脈で一番高く、数少ない海の見える山、グラン・サッソに是非訪れてみてください!
グラン・サッソ登山の別ルート、カンポ・インペラトーレもオススメです。こちらはプラティ・ディ・ティーボとはまた違い、広大な大地が広がっており、西部劇の舞台としても使われています。
詳しくは「【グランサッソ登山】カンポ・インペラトーレ」をご覧ください。
\アブルッツォ観光/
コメント