世界にはチップが必須の国もありますが、イタリアはどうでしょうか?
「イタリア チップ」で探すとたくさんの記事が出てくると思いますが、実は在住者からすると疑問に思う記事も多いです。
なぜなら、イタリアのチップ文化はかなり地域差がある!そのため、イタリアでも地域や人にもよるからです。
「イタリアはチップ文化あるよ~」と誰かが言ったとしてもその人の習慣なので、「イタリアはチップなんて払わないよ」という人もいます。
つまり一概には言えないのが、イタリアのチップ文化。
イタリアでのチップ事情を少し知って、イタリア旅行に備えましょう!
【基本】イタリアでチップは義務ではない
基本、イタリアではチップの義務はありません。アメリカのような半強制的な文化もありません。
ちなみに、ドイツはチップ文化があるようですが、その代わりレストランでサービス料・席料がないそうで、その分をチップで補うようです。
しかしイタリアの場合、たいていのレストランではサービス料or席料が会計に含まれています。
つまり、ドイツ様式でいえば、イタリアはチップ不要です。
個人的にはチップはあくまでも気持ちだと思います。
※ちなみに喫茶店(バールやカフェテリア)は…
上ではレストランを例に挙げましたが、喫茶店(バールやカフェテリア)ではどうでしょうか?
バールやカフェテリアに関しては、サービス料や席料があるところは稀です。
(立ち飲みと席に座る場合とで値段が変わる、というところはたまにありますが…)
では、バールやカフェテリアではチップはどうしたらいいのか?
バールやカフェテリアの場合、レジに「mancia(チップ)」と書かれた募金箱のような入れ物が置かれている場合があります。
これも気持ち次第ですが、1-2euroを入れるといいと思います。
テーブルの上にチップを残して帰るという人もいると思いますが、客の入れ替わりが激しいバールやカフェテリアは、本当に店員の手に渡るか不安です。
地域・人によるチップの感覚
私の周り(アブルッツォ州)ではチップを渡す人はいない、且つ、リグリア州に住むイタリア人の友達も「イタリアではチップ文化はない」と言っていたので、イタリアに住んで数年間、チップなんて存在しないと思っていました。
しかし、ローマに住むイタリア人の友達とレストランで食事したとき、その友達がテーブルに2ユーロ残していったのでビックリしました。
その友達がいうにはローマでは当たり前だそうです。(ただしその友達は必ず置いているわけではないので、その時の場所の雰囲気や気分によるのかな、と思います。)
そこでイタリアの各地域に住む日本人に聞いたところ、イタリア国内でもかなりバラつきがあるということがわかりました。
簡潔にいうと、観光客が多い地域(ローマ、ミラノなどの都市部や、バカンスで訪れる有名な地域)はチップの文化がある、という印象でした。逆を言えば、観光客が少なめな田舎町は、チップ文化はないのかなと。(私の住む地域がまさにそれ)
とはいえ、イタリアの国土は決して大きくなく(日本より少し小さいぐらい)、地域さが色濃く残るとはいえ人の往来は多いため(他の国と陸続きですし)、個人の感覚が違うことも大いにあると思います。
私の印象ではアブルッツォではチップ文化はないと思っていますが、やはり人によってはチップの習慣があるのかもしれません。
補足:ネイティブですらこれを理解してない
私はたまたま気になり調べ、そしてイタリアでも地域によって違うということを知りましたが、チップ文化は地域差があるということを知らないネイティブ(イタリア人)も多いです。
そこで生まれ育ってるからこそ気づけないことはありますよね。
「日本ではこうだ」と自信満々に言ったことも、日本全土でみれば一般的ではなかった、ということもあります。
外国人だからこそ興味を持てる、ということはあるかもしれません。
結局、イタリア旅行ではチップはどうしたらいい?
前述したように、イタリアでのチップ文化は地域差や個人の感覚の差が大きいです。
そのため、「イタリアでチップはどうしたらいい?」に対して正しい答えはありません。
渡さなくてもいいし、気持ちとして渡してもOKです。
ちなみに私は、地域によっても違うということを知った今でも、チップ文化が全く身に付いていないため(周りの人も渡さないので…)、一度もチップを渡したことはありません笑
なので飲食店やホテルなど接客業で働く人も、“チップはもらうのが当然”ではなく人によって違うのを理解しているから、“チップもらえたらラッキー”と思っている人が多いのかなと想像します。
(ドイツはチップ文化があるため、ドイツ人がくると喜ぶ…という場所もあるそうです笑)
チップはどういうときに渡す?
チップはあくまでも感謝の気持ちです。義務ではありません。
観光の場合は、正直気にしなくていいのかなと思いますが、気になるようであれば下記を理解しておけばいいかなと思います。
飲食店の場合
『料理が美味しかった』『サービスが良かった』という感謝の気持ちを表したい場合、
レストランであれば、帰り際にテーブルの上にチップを一人2ユーロほど黙っておいておけばいいです。
バール(喫茶店)や食堂・軽食店などはレジに『Mancia(チップ)』と書かれた募金箱みたいなのがおいてあることがあるので、その場合はそこに入れてもOKです。
(テラス席や、お客さんが多いお店、忙しくて片付けがすぐに行き届かないような場所だと、テーブルに置いても他の人に盗まれる可能性があるので注意)
タクシーの場合
タクシーも地域によってチップの感覚が違いますが、チップを渡したい場合は精算時に多く払えばOKです。
17ユーロだった場合、20ユーロなどキリのいいお金を渡せばいいと思います。
まあ、今はカード払いや配車アプリもあるので、チップを渡す機会も少ないですけどね。
ホテルの清掃員の場合
何泊かする場合ホテルの清掃員には、わかりやすいようメモ書きと一緒においておくといいでしょう。
その昔、ただ忘れて小銭をホテルの部屋に置いて行ったことがありますが、小銭には手を付けずちゃんとベッドメーキングされていたことがありました。
おそらく泥棒と思われることを防ぐため、無造作に置かれたお金には手を付けないのだと思われます。
なので、「いつも掃除してくれてありがとう」と感謝の気持ちを記したメモ書きと一緒にコインを残しましょう。「Mancia(チップ)」と書いておくとわかりやすいですね。
【余談】移民に助けられた場合
あまりないとは思いますが、アフリカ系や中東系の移民らしき人に、助けてもらった場合はチップを渡しましょう。
(道を説明してもらったり、困っているところを助けられたり)
アフリカ系や中東系の移民は、職についておらず、誰かに親切にして小銭を稼いでいる人が多いです。
しかし、その文化を悪用して「聞いてもいないのに券売機での購入の仕方を説明され、強制的にチップを要求する」など悪質な場合もあります。
見分けるのは難しいと思いますが(とくに旅行客なら尚更)、チップを渡すとしても1~2euroなので、面倒に巻き込まれないためにも渡すのは逆に得策かもしれませんね。
まとめ
イタリアでのチップ文化は曖昧なため、観光客にとっては難しいですね。
私の考えとしては、チップは考えなくていいと思います。
日本人はそもそもチップ文化が身に付いていない人が多いため、せっかくの旅行で「チップどうしよう」と悩むぐらいなら、そんなこと忘れて旅行を楽しめばいいと思います!
ネイティブですら渡さない人もいるので!
それよりも、スリ・ぼったくり・ひったくりなど安全面で注意するほうがよっぽど大事です。
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