野生のアスパラガス(ワイルドアスパラガス)をご存知ですか?
地中海で採れる自然に自生しているアスパラガスで、日本でまず見ることはないと思います。
上の写真のように、人の手によって栽培されているアスパラガスよりもひょろひょろと細長いのが特徴。
味や香りは強く苦味が強い野生の味ですが、イタリアではフリッタータ(オムレツ)やリゾット、パスタソースに使われる春の味覚のひとつです。
世界的にみてもこの野生のアスパラガスは珍しく、地中海の温暖な地域でしか自生していません。
イタリアでも市販は滅多にされていないので、春のイタリアにきたらワイルドアスパラガス狩りをしてみるのも楽しいと思います。
野生のアスパラはどこにある?
市販はほぼないので、自ら森や林に赴いて収穫するのが一般的です。
ローマのフードマーケット『イータリー(Eataly)』で売られているのをみたことがありますが、びっくりするお値段。
野生のアスパラガスは海抜1300m以下の森や林にたくさん自生しています。
田舎だと畦道などでも自生していますが、数は多くなく近くに住む住民がとってしまうため、林や森に行ったほうが手っ取り早いと思います。
※場所によっては収穫禁止されている地域もあるので確認してください。
イタリアのほぼ全域で収穫されていますが、寒い地域では育たないため主に中部~南部に多くみられます。
トレンティーノ州、ピエモンテ州、ヴァッレ・ダオスタ州では難しいそうで、その他標高が高い地域も難しいかもしれません。
時期
収穫時期は、3月・4月です。
南イタリアの方が早く3月初めから収穫でき、北イタリアだともう少し遅いと思います。
探し方
ワイルドアスパラガス狩りに行きたい方のために、ポイントをまとめたので参考にしてください。
まず、この植物を見つけよう
森や林に到着したら、この画像の植物を探しましょう。
アスパラガスはこの植物とともに生えているので、この植物がない場所にはありません。
ちなみにこれ、葉っぱが硬いのでむやみに触ると痛いので注意!
バラの棘ほど鋭利ではないですが、下手すると皮膚が切れかすり傷になる可能性もあります。
斜面や木のふもとに多い
平地よりも斜面の方が多く、また木の周りにも自生しやすいです。
民家の庭なんかだと塀の住に生えやすく、ひっそりとした場所を好んでいるみたいですね。
平地にも生えていますが年配の方など誰しもが収穫できるため、平地より斜面の方が収穫率アップ。
足腰が丈夫な方は斜面で踏ん張りながら探しましょう!
土の斜面は滑りやすいので怪我には十分注意してください。
また靴も滑らないものが良いでしょう。
生い茂ったところを探索
私の経験上、生い茂ったところを探さなくても十分に見つかりますが、すでに他の人が採ってしまった後の場合は奥まった生い茂ったところを探すと手つかずな可能性があります。
生い茂ったところは棘のある植物なども多いため、注意してください。
どんな風に生えている?
こんな感じでひょろろと生えています。
短いものもあります。
人知れずこんなに長く育っているものもあります。
食べらるところ
下の方は硬いのでやわらかい部分を食べます。ものによりますが上から15-20cmほどが目安。
育ちすぎるとこんな感じ↓になりますが、頭の部分は食べられます。
また、獲れたてのものなら生で食べられるので「頭の部分のみ」パクッと食べられます。
ただし苦いです笑
野生のアスパラは育ちが早い
野生のアスパラガスは成長が早いため、素人でもわりと簡単に収穫できます。
1日でにょきにょきと成長するので、せっかく森にきたのに全部収穫されてた!なんてことはあまりないと思います。
午前中に行くのが一般的かと思いますが、意外と夕方の方が人も少なくて収穫しやすかったりしますので、そこは場所とタイミング次第かと思います。
収穫にあたっての服装・持ち物
山に登山に行くわけではないので基本は軽装(普段着)でokです。(トレッキングぐらいの恰好がベスト)
ただし滑りにくい靴、長ズボン、長そで・または半袖に長袖の羽織の方が快適ですね。
山ではないけれど、森や林は涼しくもなりやすいので体温が調節しやすい服装がベストです。
またたくさん収穫したい場合は袋やカゴなど用意すると便利です。
素手で千切れるのでわざわざハサミを持って行く必要はありませんが、あると役に立つときが来るかもしれません。余裕があれば持って行くといいですが、なくても全然問題ありません。
収穫後
収穫後、すぐに調理しない場合は上の写真のように瓶などに水を張って差しておきましよう。
これをしないとすぐにシナシナになってしまいます。
野生のアスパラガスはやわらかく折れやすいのでので優しく取り扱ってくださいね。
私は念のため、採ってきたら重曹を入れた水に浸して軽く洗っています。
野生のアスパラガスを使ったレシピ
定番はフリッタータ(オムレツ)ですが、私のオススメレシピを紹介します。
野生のアスパラガスとグアンチャーレのパスタ
①熱したフライパンにバターを溶かし、ニンニクとグアンチャーレ(パンチェッタでもok)を炒める。
②3cmほどに切ったアスパラガスも炒め、塩・胡椒で味を調える。(焦がさないように注意)
③茹でたパスタも入れ、粉パルメザンチーズを混ぜ入れて完成。
素材の味を楽しみたいならブルスケッタ
①熱したフライパンにオリーブオイルとニンニクを入れ香りを出す・
②3cmぐらいに切ったアスパラガスを炒めて塩、唐辛子の粉末または生の唐辛子を入れ、水を少し入れて蓋をし数分おく。
③焼いたパンの上にのせて完成。
苦味が効いてて美味しいです!ブルスケッタ用なので少し塩気を強くするといいですよ。
さいごに
野生のアスパラガスはお伝えしたようにひょろひょろと細長く視界に入りづらいため、結構見落としがちです。
そのため、他の山菜やキノコに比べて「他の人が見落とすから見つけやすい」のはあるかと思います。
(まずは上にあった写真のトゲトゲした植物を探し、あれば入念に周囲を観察してみてください。)
実際、すでに採取された跡が残っていてもわりと見つかります。
よって集中力が必要となり、帰ったらクタクタになっていることもしばしば笑
(ここまで熱中してアスパラガス狩りをしている人がどれだけいるのかわかりませんが笑)
機会があれば是非ワイルドアスパラガス狩りをしてみてください!
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コメント
アスパラガスは、ヨーロッパの春の味覚ですよね。
しかし、野生があるとは知りませんでした。イタリアはやっぱり、食生活が豊かですね。
りうさん
私もイタリアに来るまで野生のアスパラガスの存在を知りませんでした。
イタリアは大地と天候に恵まれているので他の寒い国などに比べたら豊かかもしれませんね!